田舎暮らし、移住に興味のある方は「地域おこし協力隊」という言葉を聞いたことがあるかと思います。
そもそもこの制度は、田舎暮らし希望者にとって良いものなのでしょうか?
今回はこの「地域おこし協力隊」について起こりがちな問題と対策、失敗しない為の準備についてお話しします。
地域おこし協力隊の概要
「地域おこし協力隊」というのは、若者の地方移住・定着を目的とした国の制度です。
地域おこし協力隊員(以後、協力隊員と略記)になった人は、都会から地方に住民票を移し、最長で3年間、住まいと仕事をあてがわれて、地方で暮らすことができます。
地方自治体は、協力隊員を受け入れると、国から補助金が出るので、その中から、協力隊員の給料と活動費を支払うことになります。
多くの自治体では、協力隊員の住む場所も、無償で提供しています。
地域おこし協力隊のしくみは、
移住のハードルを下げてくれるものといえます。
なぜならば、最長3年間は、住む場所と生活費がある状態になるため、お金の心配なく暮らすことができるからです。
一方で、協力隊員になったものの、活動がうまくいかないといった話をよく聞くことがあります。
そして、精神的、肉体的に体調を崩してしまう方もちらほら見かけられます。
そのような事態にならないよう、ここでは、地域おこし協力隊で起こりがちな問題点と、対策について記したいと思います。
地域おこし協力隊の失敗例と対策
地域おこし協力隊で起きやすい失敗例と、その対策のお話をします。
地域おこし協力隊で失敗しないために知っておくべきポイントは次の3つです。
2.自治体(担当)の対応
3.実際の活動内容の把握
最初にこれらを把握していないと、
あなたの理想と実際の現実がどんどん乖離していきます。
失敗しない為にも事前にしっかりと調べておいてください。
ひとつずつ説明していきますね。
地域おこし協力隊の職場環境の問題
地域おこし協力隊は、地方自治体が委嘱しますが、実際の活動先は、別の機関である場合があります。
この場合、実際の活動先での職場環境に問題が発生しても、地方自治体側は口出ししにくいため、問題解決に動いてもらえないことがあります。
しかし、職場環境に問題が発生すること自体は、地域おこし協力隊でなくても、どんな職場でも起こり得ることです。
対策としては、通常の就職時と同じように、応募前に、実際の活動先に連絡をとってみる、実際に訪問してみるなどして、ここで活動するのだ!と納得しておくことが重要です。
普通の就職活動となんら変わりはないよ。
もちろん、それでもうまくいかないこともあるかもしれませんが、その場合は、自分の見る目がなかったということで、ある程度は諦めがつくのではないでしょうか。
実際の活動先はどこになるのか知っておく
地域おこし協力隊への自治体の対応の問題
地方自治体の担当者が、協力隊員に対して非協力的だという声を聞くことがよくあります。
この理由として、地方自治体の担当者が、地域おこし協力隊の対応をする業務に慣れていないことが挙げられます。
担当者側としては、最低限の無難な対応で済ませようという方向になってしまいがちなのです。
もちろん中には親身になって対応してくれる人も居ますが、人事異動によって、途中で担当が別の人に変わってしまうことはお役所ではよくあることです。
なので、地方自治体の担当者に過度な期待を持たないことが重要です。
基本的には、自力で進めるつもりで、必要なことは、協力隊員の方から自治体担当者に働きかけていく心づもりでいるに越したことはありません。
受け身ではなく自主的に動く
地域おこし協力隊の活動とのミスマッチ問題
地域おこし協力隊の活動内容は、募集時におおまかな指定がありますが、その内容は曖昧であることが少なくありません。
その場合、協力隊員は、移住後にその土地で暮らしていく中で、具体的な活動内容を考えていくことになります。
しかしながら、協力隊員の考えがまとまって、いざやろうとしたところで、その内容が地方自治体や活動先の意向に沿わない場合は、活動を認めてもらえないことがあります。
やりたいことができないのです。
これを防ぐには、実際に協力隊になる前に、できるだけ具体的な方向性を話し合っておくのがベストです。
しかし、実際に移住してみないとわからないことも多いので、この対策にも限界があるのはたしかです・・・
事前に所属先に具体的な活動内容を伝えておく
地域おこし協力隊は途中で辞められる?
精一杯やってみて、どうにもダメだとなった場合は、無理せず協力隊員を辞めるという選択肢も大丈夫です。
辞めるとなると、その時点で、住居と仕事を一挙に失うことになり、不安を感じるかもしれませんが、それほど悲観する必要はありません。
田舎では、住居費は安価ですし、その地域で募集している仕事も意外といろいろ見つかります。
その地域が気に入っているなら、そのまま暮らしたっていいのです。
そもそも、地域おこし協力隊に課せられた仕事は、何らかの理由で、地元の人でやる人がいないために、外の人を募集しているという経緯があります。
なかなかうまくいかなくても当たり前と考えて良いのです。
このように、地域おこし協力隊の活動にはいくつものハードルが待ち受けていますし、誰にでもおすすめできるものではありません。
でも、移住を希望していて、かつ、難易度の高いことにチャレンジするという意気込みのある方にとっては、とても良い選択肢の一つだと思います。
悔いなく生きましょう!